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2002年1月12日 (土)

北向きの裏庭  

「ここはどこかの窓のそと」の本番の舞台を見た後。
私は思わず照明の葛西健一さんに「舞台にひなたを創ってくれたんですね。」
と言ってしまった。その小さなひなたがとても魅力的に見えたので。
照明の葛西さんはきょとんとしていた。

あとから、ああ、そうか、と思いだし、気がついた。
舞台の打ち合わせの間中、照明の葛西さんにも、美術の姉川さんにも、
「建物の影を、丁寧に綺麗に作ってください。」とおねがいしていた。

そうか。葛西さんは「日陰」を創ったのだ。
時間によって少しずつ、長くなっていく建物の影。
「日の当たらない北向きの裏庭」の照明を魅力的に創るのは難しいみたいで、そういえば仕込の間葛西さんは困っていた。陽の向きを反対にすれば得られる効果の誘惑と闘いながら、苦心して光を配置していた。
だけどその結果。
地面のほんの一角だけがあたたかく色づいた舞台になった。。

地面の大部分を占める影を見て、「日陰がある」とは思わなかった。
そこにあるのは小さなひなただった。
とても魅力的なひなただった。
それはなんだか衝撃的な発見だった。

だって、空とはじまりの風景を創りたくて、
影と風とさようならの物語を作ったのだ。
建物の裏側を舞台にした、秋の終わりのお芝居をつくったのだ。

どうしてそうしようと思ったのか。本番の舞台を見てやっとわかった。

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